Synamonは7月14日、三井住友海上火災保険と「VR自然災害損害調査研修」を共同開発したことを発表した。
同サービスは、地震で損害を受けた家屋の調査ができるVR(Virtual Reality)空間を構築し、大規模な災害に備えた損害調査研修にいつでもどこからでも参加可能になるもの。平屋家屋、洋室、和室の3種類の部屋を再現した3Dモデルを配置したVR空間で損害調査研修を実施できる。
研修参加者は自宅や職場など、任意の場所からVR用のヘッドマウントディスプレイを装着して、アバターとなって研修を受けられる。VR空間における損傷部分の計測や撮影などの研修は、座学研修と比較して、実際の立ち合い調査の理解をより深められる利点があるとしている。
近年は台風などの自然災害が頻発し、被害が甚大化している。特に、2018年度、2019年度は損保業界全体で1兆円を上回る規模の保険金支払額になっているとのことだ。首都直下地震や荒川氾濫などの大規模地震災害が発生すると、多数の家屋に被害が想定されることから、損害調査体制のさらなる強化が喫緊の課題だという。
三井住友海上火災保険では、自然災害に関わる損害調査を適切かつ迅速に実施できるように社員向けの研修を行っている。しかし、従来の研修は座学研修が中心であり、 被災建物モデルの確保および維持が困難である点と、研修受講人数に限りがある点から、実地研修には課題があった。
そこでSynamonは、同社が提供している、バーチャル空間であらゆるビジネス活動を可能にするビジネス向けVRサービス「NEUTRANS(ニュートランス)」を活用して、被災した家屋をVR空間に再現する研修を開発したとのことだ。