電通デジタルは7月14日、同社が開発したCookieに依存しない新しい計測基盤「X-Stack Connect(クロススタック・コネクト)」の提供を開始すると発表した。

昨今、個々のユーザーの許諾を取得することなく使用できてしまう側面があるCookieは、世界なプライバシー保護の潮流に合わせ利用に制限が加えられるようになっている。米AppleからITP(Intelligent Tracking Prevention)によるCookie関連の利用規制が施行されているほか、米Googleからも、Google Chromeにおける3rdパーティCookieの規制を発表するなど、ブラウザCookieに依存した計測は今後ますます難しくなってきている。

  • 「X-Stack Connect」の概要

電通デジタルでは、2018年10月より予測LTV(pLTV:predicted Life Time Value)を指標に事業KPIを予測するモデルを作り、デジタル広告運用に活用するソリューション「X-Stack」を提供している。「X-Stack Connect」は、予測スコアを算出し各広告プラットフォームに接続する同ソリューションの機能を、Cookieフリーにあわせて強化・拡充したもの。

  • 「X-Stack Connect」の特長

同計測基盤ではサーバーサイドのアクセスログとフォームの入力情報の両方を使った計測に対応しており、従来のブラウザCookieに依存しない持続可能性の高いCookieフリーな計測基盤を実現させているという。

また、広告プラットフォームを横断して利用可能な接続キーとなる情報を収集する汎用的な基盤を構築し、後からプラットフォームごとに適切に整形して送信するアプローチを採用することで、同一基盤で複数のプラットフォームの対応が可能。これにより、ユーザー許諾の管理や、日本語表記情報のプラットフォームごとの要求仕様への変換などを一元化することができるとしている。

導入ハードルの低減も図っている。Googleの提供するタグ管理ツールである「Google Tag Manager」をサイト上に設置することで、そこから得た情報をクラウド環境側で処理し、サーバーのアクセスログとフォーム入力情報を取得する方式を採用しており、実装が比較的簡単だという。またコストを抑えるため、計測の基盤はGoogleの次世代計測ツールである「Google アナリティクス 4」を、サーバーサイドの「Google Tag Manager」上で実装する形で利用している。

さらに、プライバシー保護への配慮として、技術的なサポートだけではなく許諾取得のためのコンサルティングや、同意取得を行うためのツールCMP(コンセント・マネジメント・プラットフォーム)との接続までを含めた一気通貫のサポートを提供している。

電通デジタルは今後も、Cookieフリー時代におけるプライバシーの保護とマーケティングニーズの両立のための汎用的な計測基盤として、「X-Stack Connect」の機能拡充を行うとしている。