TSMCが発表した2021年6月業績によると、売上高は前年同月比22.8%増、前月比32.1%増の1484億7066万NTドル(約5,830億円)となり、同社として始めて月間売上高1400億NTドルを超えたという。Appleが2021年秋に発売を予定している次世代iPhoneモデル向けプロセッサの受注が増え、売り上げを押し上げたとみられる。

また、同社の2021年第2四半期(4~6月)の売上高は前年同期比19.8%増の3721億4512万NTドルとなり、四半期としても過去最高を更新。2021年上半期(1~6月期)の売上高も前年同期比18.2%増の7345億5500万NTドルとなり、こちらも過去最高を更新したという。

UMCの業績も過去最高を更新

また、台湾第2位のファウンドリであるUMC(聯華電子)の6月の売上高は前年同月比18.9%増、前月比0.9%増の173億3661万NTドルとなり、同社の月間売上高として2か月連続で過去最高を更新したという。

同社の2021年第2四半期(4~6月)の売上高も前年同期比14.7%増の509億774万NTドルとなり、四半期としての過去最高額を更新した。同社が得意とする28nmプロセス以上のレガシープロセスを用いた車載半導体やディスプレイドライバICなどがが世界的に不足しており、需要の高まりに対し、製造受託価格を引き上げた効果が業績に貢献しているとみられるという。

なお、UMCは、200mmファブ(~90nmプロセス)を7つ(うち1つは中国)、300mmファブ(130~14nm)を台湾、シンガポール、中国、日本にそれぞれ1つずつ所有している。日本の子会社であるUSJC(旧三重富士通セミコンダクター、UMCでの名称はFab 12M)では40~90nmプロセスを提供している。同社の最先端プロセスである14nmは台湾Fab 12Aで提供されている。UMCでは、月間生産能力について200mmウェハ換算で75万枚であると公式に発表しているが、そのほか、子会社のWavetekで150mmウェハを用いたレガシー半導体の製造なども行っている。

すでに同社は台湾南部科学園区(南科)において1500億NTドル(約5930億円)規模の工場拡張を進めており、Fab12A(300mm)のPhase 5(第5期拡張工事)は2022年、Phase 6は2023年にそれぞれ量産に入る見通しで、拡張後の月産能力はそれぞれ1万枚、2万7500枚の増加を予定しているという。

  • UMC

    UMCの台湾、中国、シンガポール、および日本にある200/300mmファブで製造可能な技術ノード一覧 (出所:UMC Website)