楽天モバイルは7月12日、東京工業大学の協力を受けて、スタンドアローン方式5Gモバイルネットワーク(5G SA)におけるデータ通信の実証を同大学大岡山キャンパスで行い成功したと発表した。
5G SAは、無線アクセスネットワーク(RAN)からコアネットワークまでを5Gの通信技術に基づき構成したモバイルネットワークであり、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続という5Gの特徴を最大限に生かすことが期待できるという。
また、ネットワークに対する高度な制御により、エンド・ツー・エンドのネットワーク・スライシングを実現することで、幅広いネットワークの用途に合わせて最適なサービスの提供が可能になるとのこと。今回の実証では、5G SA対応の端末で5G SAネットワークのデータ通信テストを実施し、安定した5G SAの稼働を確認したという。なお同社は、商用5Gネットワークの一部において5G SA機能を6月24日に導入開始している。
5G RANでは、分散ユニット(vDU)を稼働させ、IP伝送路を通じて集約ユニット(vCU)に接続する。これらの機能は5G NSA方式で既にコンテナ化しており、CNF(Cloud-Native Network Functions)として稼働している。オープンな規格に準拠したOpen RANにより、高い安全性と透明性を確保しているとのことだ。
5GC(5Gコアネットワーク)は、今回新たにコンテナ化し、マイクロサービスアーキテクチャに基づき設計したもの。CNFとして稼働する5GCにより、ネットワークの機能向上を短期間かつコスト効率よく進めることが可能になるという。
同社のクラウド技術は、COTSサーバ(商用汎用サーバ)やKubernetesといった汎用技術を用いつつ、独自に開発したという高度なネットワークの自動制御によって、各ソフトウェアの要件・特性に合った細粒度での資源割当を実施できる。これにより、高い通信の要求品質を満たすことが可能になったとしている。
これらは「RCP」 (Rakuten Communications Platform)のソリューションとして、RANや5GCに限らず同社内の他システムでも利用しているとのことだ。