Spectee(スペクティ)は7月12日、鹿児島県薩摩川内市で7月10日に発生した河川の氾濫による浸水状況について、AI(人工知能)を使用してリアルタイムに解析し地図上にシミュレーションしたと発表した。

  • シミュレーションの結果

【関連記事】
≪AI活用のカメラ画像から路面状態をリアルタイムに判別する実証実験≫
≪SNSより抽出した新型コロナウイルス最新情報を提供する専用チャンネルを設置、一カ月の無償提供も - Spectee≫

同社は、河川の氾濫直後にほぼリアルタイムに浸水範囲と浸水深を推定して2Dおよび3Dのマップ上に再現する技術の開発を進めているといい、被害状況の可視化により災害対応の迅速化への貢献を目指しているとのこと。

川内川およびその支流で発生した氾濫は、同市内の各地で浸水・冠水による被害をもたらした。今回、同社が開発を進めているAIによるリアルタイム浸水推定技術を用いて、SNS上の投稿画像を基に浸水の推定範囲および深さを地図上にシミュレーションしたという。

同社はAIを用いて、SNSの投稿画像や河川カメラ・道路カメラの映像から浸水深を自動的に割り出し、降水量や地形データなどと組み合わせて統合的に解析することで、氾濫発生から10分以内に浸水範囲と各地の浸水深を地図上に表示する技術の開発を進めているとのこと。

現在、同技術を通じて得た各地点における詳細な緯度経度情報や浸水深(推定値)などのデータの提供を行っており、学術研究や企業の実証実験などで利用可能としている。また、同社が提供するAI防災・危機管理情報ソリューションである「Spectee Pro」では、SNSからの投稿や気象データ、停電や交通状況など100以上のカテゴリーで、災害・緊急情報をリアルタイムに配信しているという。