Nexperiaが英Newport Wafer Fabの買収手続きを完了したと7月6日付で発表したが、その件に関して、英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相が、「英国政府は、国家安全保障上の理由で中国企業(聞泰科技:Wingtech)の子会社であるオランダ企業(Nexperia)による英国企業(Newport Wafer Fab)の買収を調査する」と述べたとFinancial TimesやBloombergなど、複数の欧米メディアが報じている。英国の半導体技術や人材、製造設備などが中国にわたる懸念があり、議会からこの買収を規制すべきだとの声が上がっているという。
Johnson首相は、7月7日の議会の特別委員会で、買収に関する懸念をウェールズ政府から受けていると述べ、安全保障への影響があるかどうかを判断するための調査を行うことを指示したという。
しかし、買収された工場のあるウェールズ政府は「NexperiaのNewport Wafer Fabの買収に英国政府や議会が介入するよう要請してはいない」と述べているとの報道もある。保守党の議員からは、今回の買収は、外国企業による買収を規制する「国家安全保障・投資法」の審査を受けていないとの指摘が出ており、同法により買収を審査する必要があるとの主張が出ている一方で、すでに5月の時点でこうした問い合わせに国家安全保障法が介入すべき案件ではないと返事が出されていたとも伝えられている。
英国政府は、5Gのインフラ整備で中国の通信機器大手華為技術(Huawei)の機器を通信網から排除することを決めるなど、中国勢による英国進出を警戒している。