FedEx(フェデックス)は7月7日、自動配送機器「Roxo(ロキソ)」のアジア太平洋地域で初めてとなるお披露目を日本で行った。

Roxoは、複数のカメラとLiDAR(Light Detection And Ranging)を搭載し、同社ですでに配送サービスの際に用いているマッピング技術と機械学習のアルゴリズムと組み合わせることで、障害物の検知や回避などを行い、目的地まで自動で走行することが可能な配送機器だ。

同社のアジア太平洋、中東、アフリカ地域社長であるカワール・プリット氏は「オンラインリテールがCOVID-19の感染拡大などの影響で急拡大し、配送のニーズが増えていることをうけ、Roxoは、移動距離が短い配送や、配送事業者とユーザをつなぐいわゆる“ラストマイル”での活用が期待できる」とした。

  • アジア太平洋、中東、アフリカ地域社長であるカワール・プリット

    オンラインで会見に参加した同社のアジア太平洋、中東、アフリカ地域社長であるカワール・プリット氏

同製品は“セグウェイ”を手掛けたDEKAと共同で開発を進めており、DEKAの電動車イス「iBOT」をベースに開発され、大きさは157㎝×奥行99㎝×幅73㎝で本体重量は約200㎏、積載容量は45㎏となっている。バッテリー駆動で、時速は10~20㎞ほどのスピードがでるように設計されているが、地形や周辺環境に応じて自動でスピードの調整が可能になっているという。

ウインカー、ライト、カメラ、マイク、スクリーンを搭載しており、近くの歩行者や周辺に動向意図を伝えることが可能。6輪で稼働し、前輪を浮かせることで段差を乗り越えることや、小回りを利かせることができるという。

  • 段差を乗り越える様子

    Roxoが前輪を浮かせて、段差を乗り越える様子

同社は何よりも安全性に注力したといい、自動走行の際にはコマンドセンターに接続し、遠隔でリモートオペレータが常に介入できる状態で、非常時には内蔵マイクを通じて遠隔操作者とコミュニケーションをとることも可能だという。また、Roxoのサイズについても安全性の観点から周囲の人が視認しやすい大きさに設計したという。

今回のお披露目に用いられたRoxoはプロトタイプとなり、走行テストにのぞむ際には先進的なモデルを用いる必要があるという。 なお、一足先にお披露目を行った米国では現在、小売業者と連携し、Roxoの走行を試験中で、自動運転ソフトウェアを学習させ、安全規制やガイドラインに則った検証を行っているという。同社は、日本でも関係各所との調整のうえ、ユースケースを検討していきたいとした。

  • Roxo

    Roxoと同社の太平洋地区担当副社長のジェレミー・ゴールドストリッチ氏