ルネサス エレクトロニクスは7月7日、IoTシステム設計プラットフォーム「クイックコネクトIoT」を発売し、第一弾として、センシング用途向けに同社のセンサを搭載した各種センサモジュールとソフトウェア群の提供を開始したことを発表した。
同製品は、ルネサスのマイコン開発ボードと、それに接続できる標準化されたインタフェースの小型ボードで構成されており、センサとマイコンを簡単に組み合わせられるだけでなく、ソフトウェアコーディングの負荷も軽減できるため、カスタムIoTシステムの開発、試作を迅速かつ容易に行うことができると同社では説明している。
クイックコネクトIoTの構築にあたっては、Pmodペリフェラルモジュールを規格したDigilentと協力し、GPIOによるスタンバイ制御やリセット制御による低消費電力化など、より広い範囲をカバーし柔軟性を高めるために、新たな拡張用I2C Pmodインタフェース「タイプ6A」を開発、センサPmodやマイコン開発ボード用の標準インタフェースとして装備することにより、ユーザはIoTプロトタイプ設計に最適なモジュールを組み合わせて柔軟に評価することができるとしている。
また、マイコン開発ボードに、センサモジュールと通信モジュールをPmodコネクタで接続することにより、センシング、信号処理(マイコン)、通信機能を持つカスタムIoTシステムを早期に実現可能でき、Pmodをカスケード接続することにより、柔軟にセンサを追加して評価することができるという。
さらに、ソフトウェア開発の負荷軽減のために、多種多様なセンサのための共通のソフトウェアAPI(Application Program Interfaces)とHAL(Hardware Abstraction Layer)のコードを再定義し、同社の統合開発環境であるe2 studioに組み込んだことにより、使いやすいGUIを通してセンサを選択し、数行のコードを書くだけでセンサを利用可能になるため、開発期間を短縮できるとしている。
なお、クイックコネクトIoTの第一弾としては、空気質センサ、フローセンサ、温湿度センサ、生体センサなどのPmodモジュールが発売されており、今後これらに加え、ToF測距センサなど他のさまざまなセンサや周辺機能用のPmodを提供予定で、RA、RX、RL78ファミリのスタータキットなど25種類以上の既存のマイコン開発ボードは、Pmod Type 6A規格モジュールを接続することが可能で、今後REマイコンとRZ MPUの開発ボードもサポート予定だという。