パーソル総合研究所は7月5日、企業におけるオンライン集合研修の実態に関する調査結果を発表した。
この調査は、1月29日~2月10日、人事部門の「教育・研修」「人材開発・キャリア開発」担当者(400名)および2020年度に研修を受講した正社員(2,000名)を対象に、インターネット定量調査を実施したもの。
多数の従業員に対して研修を一斉に行う「集合研修」について、コロナ禍を受けてどのくらいオンライン化が進んでいるかを調査したところ、オンライン集合研修を増やした企業の割合は75.0%で、企業規模が大きいほどオンライン化に積極的な傾向がみられるいう。
既にオンライン集合研修を実施している企業のうち、今後も既存の研修をオンラインに置き換えていきたい企業の割合は、全体平均で80.4%。オンライン集合研修で成果が得られている企業に限れば、その割合は90.0%にも及び、成果が得られていない企業でも65.2%がオンラインへ置き換えようとしていることから、今年度以降もオンライン集合研修は増えていくことが見込まれる。同社は、オンラインならではのメリット・デメリット、成果につながりやすい研修の在り方を意識することが重要だとしている。
また、受講者にオンライン集合研修のメリットについて質問したところ、1位は「時間の削減」で31.1%、2位は「スケジュール調整がしやすかった」で27.8%と、時間面の効率性が上位に挙がった。
一方、オンライン集合研修のデメリットについては、1位が「受け身になりやすかった」(21.0%)、2位は「受講者同士の交流機会の不足」(19.7%)、3位は「受講者同士で関係性が構築できなかった」(17.4%)、4位は「発言しづらかった」(16.1%)とリアルな場よりもコミュニケーションしづらい様子が伺える。
企業の研修担当者に対して、研修の実施形式別に学習目標の達成度を聞いたところ、オンライン集合研修では学習目標を8割以上達成したとの回答割合は46.5%となった。なお、eラーニングや録画コンテンツ視聴形式では、学習目標を8割以上達成したとの回答は32.0%であった。
企業によるオンライン集合研修前後のフォローについて実施状況を尋ねたところ、事前学習を特に行わなかったとする回答割合は33.0%、事後フォローを特に行わなかったとする回答割合は34.5%となった。