コクヨは7月1日、次世代インタラクティブ型のコミュニケーションツール「MAXHUB(マックスハブ)」の発売を7月9日に開始すると発表した。同製品はWeb会議、ホワイトボード、プレゼンテーションの3機能を1台に備えており、遠隔で行われる会議の活性化を促す。

  • 「MAXHUB」は65インチと86インチの2種のディスプレイで発売が予定されている(画像は65インチディスプレイ)

新型コロナウイルス感染症の影響によってテレワークやオンライン環境の導入が急激に進み、Web会議の機会も多くなっている。同社のワークスタイルイノベーション部働き方改革PJアドバイザー 坂本崇博氏によると、同社では従来の会議平均時間が1人あたり毎月15~16時間だったところ、現在はWeb会議に費やす時間だけでも30時間ほどになるとのことだ。

また、回答者の92%がWeb会議をこれ以上増やしたくないと回答したことも明らかになっている。会議の回数が増える一方で、新しいアイデアが出にくいことや、物事の意思決定が進まないことが課題になることも少なくないという。

  • Web会議に費やす時間が増加した一方、物事を決めるまでに必要な会議の回数が増えている

「MAXHUB」はカメラ、マイク、スピーカーがオールインワンで搭載されたディスプレイ型の電子ホワイトボードであり、Web会議やプレゼンテーションにおける相互コミュニケーションに着目して開発された。

Windows10を搭載しており、Google MeetやZoom、Microsoft Teamsなど従来のWeb会議ツールから会議に参加できる。4800万画素の高解像度カメラや、8m先まで収音可能なマイクを搭載しているため、会議の臨場感や雰囲気が伝わりやすいという。

  • Web会議中にPCから投影した資料は、ディスプレイからも操作できる

ディスプレイは4Kフルフラットの静電容量式のタッチパネルになっており、付属のスタイラスペンや指でホワイトボードに描画できる。ボード上にはPDFや動画などのメディアも挿入可能で、会議終了時にはPDFまたはJPEG形式で保存可能。

  • ホワイトボードには参加者全員が付箋を張り付けることができ、ディスプレイのタッチパネル操作によって拡大・縮小や編集なども可能

付属のドングルや専用のアプリを使用することで、HDMIケーブルなどを使用せずに無線での画面共有や最大6画面の同時投影が可能。投影した資料には書き込みが行えるため、補足説明もしやすく、会議参加者が共通認識を持ったまま議論を進められるとしている。

  • 動画やPDFを投影し、書き込みながらプレゼンテーションを進めることができる

65インチディスプレイは7月9日から、86インチディスプレイは8月2日から注文受付を開始する。価格はオープンで、タッチペン、ドングル、本体用のWi-Fiモジュールなどが付属している。

DX戦略部部長永井潤氏は発表会の中で「オンラインで開催される定例会議では、前回の議事録を読み返して会議の内容を思い出すための時間が発生していた。しかし『MAXHUB』を活用することによって前回の板書がすぐに呼び出せるようになる。また、会議に参加していないスタッフにも後から板書を見せられるので、場所だけではなく時間を超えた議論にも発展できると思う」と述べた。

さらに、ワークスタイルイノベーション部働き方改革PJアドバイザー 坂本崇博氏は「ノートパソコンを見つめ続ける会議は、クリエイティブな議論にはあまり向いていない。体を動かしてディスプレイに書き込むことで、脳の運動野を刺激すると記憶にも定着しやすくアイデアも出しやすいと思う」とコメントした。

  • コクヨDX戦略部部長永井潤氏(左)、コクヨワークスタイルイノベーション部働き方改革PJアドバイザー 坂本崇博氏(右)