米Googleは6月29日(現地時間)、Google Playで公開する新しいアプリおよびゲームの公開フォーマットをAPK(Android Application Package)からAndroid App Bundleに変更する計画を発表した。2021年8月からApp Bundleが必須になる。
Android App Bundleは2018年5月にGoogle I/Oで発表され、すでに100万個以上のアプリやゲームで利用されている。アプリのコンパイル済みコードとリソースがすべて含まれ、アプリやゲームの配信において、Google PlayがApp Bundleからデバイス設定ごとに最適化したAPKを生成して配信。それによって、個々のデバイスでアプリを実行するのに必要なコードとリソースだけがダウンロードされ、従来のユニバーサルAPKと比べて配信ファイルのサイズが平均15%縮小される。ユーザーはより効率的かつ安全にアプリを利用でき、開発者は多様なデバイスのサポートを最適化するために複数のAPKをビルド、署名、管理する必要がなくなる。
Android App Bundleへの移行に伴い、Google PlayにおけるAPK拡張ファイル(OBB)のサポートは終了になる。ダウンロードサイズが150MBを超えるアセットや機能はPlay Asset DeliveryまたはPlay Feature Deliveryを使って配信する。Play Asset Deliveryは、Google Playで公開する単一アーティファクトのバイナリと合わせて最大2GBのゲームアセットを格納でき、ゲームのバイナリと同じようにGoogle Playの機能を使ってアセットを最新状態に保てる。圧縮や差分パッチの対応、ダウンロード サイズの最小化、アップデートの高速化といったメリットもある。
Google Playを利用するユーザーや開発者にとって様々なメリットがある一方で、Android App BundleはGoogle Playと連携する形式であるため、それらはGoogle Playでしか利用できない。AmazonのAppstoreなど他のアプリストアでも配信する開発者は、App Bundleとは別にユニバーサルAPK版も用意して管理する必要がある。
Microsoftが6月24日に発表した「Windows 11」(正式版が年内登場予定)ではAndroidアプリを実行できるようになり、Amazonとの提携によってWindowsユーザーはMicrosoft Storeで見つけたAndroidアプリをAmazon Appstore経由で入手できる。オープンなAndroidにおいて競争が激しくなる中、GoogleはGoogle Playにユーザーや開発者を引き付けるGoogle Playならではのメリットの提供に力を入れる。