半導体材料市場調査会社であるTECHCETの予測によると、2021年の半導体製造用フォトレジスト市場は前年比6%超の19億8000万ドルとなるほか、2025年には23億7000万ドルにまで増加するという。
半導体の需要増加に伴って、フォトレジストも供給が間に合わない状態にあり、その販売額も継続して増加傾向にあるという。
前年比90%増と躍進するEUVレジスト
2021年のEUVレジスト市場は、2020年の1万8000リットルから2021年には3万5000リットルと販売量がほぼ倍増する見通しで、その結果、売り上げ規模も前年比約90%増の5100万ドルと大幅に成長することが予想されるという。
また、2020年から2025年にかけての年平均売上高成長率は53%と予測されており、その背景には先端ロジックでのEUVの採用に加え、先端DRAMでのEUV採用もあるという。
3D NAND市場の成長にけん引されるKrFレジスト
KrFレジストは現在、3D NANDに多用されており、2021年の市場規模は同12%増と予測されるという。また、i/g線レジスト市場も2021年は同2〜3%増とわずかながら成長が期待されるとしている。
ま、今後3〜5年にわたって3D NANDとロジックの生産が拡大することが予想されるため、レジストの主な溶剤であるプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)と関連性が高いフォトレジストシンナーならびにEBR(エッジビードリムーバー)の使用量も増加するとTECHCETでは予想している。
フォトレジストの使用量が拡大する背景
EUVは現在、TSMCおよびSamsungのロジックファブで大量生産に使用されているが、2021年以降はIntelもEUVを用いたロジックの生産を開始する予定でのほか、SamsungがEUVを用いた1z-nmプロセスDRAMの量産を計画していることから、、EUVフォトレジストの使用量が増加する見込みである。
また、Directed Self Assembly(DSA)技術がリソグラフィパターン修復への適用可能性が見えてきたとTECHCETでは説明しているほか、キヤノンが研究開発を進めているナノインプリントも欠陥低減とオーバーレイ機能の改善が進められており、3D NANDの製造で使用できるか否かの判断のための製造歩留りテストが行われている段階にあるという。