半導体材料市場動向調査会社である米TECHCETは、300mmシリコンウェハ供給が2024年までタイトになりそうだとの予測を発表した。
この間、シリコンウェハサプライヤが新工場を建てなければ、供給不足はさらに続く可能性もあるという。同社の2021年6月時点の予測に基づくと、300mmプライムウェハの需要は2022年の稼働率(生産能力)の99%を超えると予想される。また、300mmエピタキシャルウェハの稼働率は現在すでに99%を超えている可能性があるという。
半導体業界の需要を満たすためには、300mmウェハ生産能力は今後2年間毎年6%拡大する必要があると同社では予測している。ただし、300mmの新たな結晶引き上げ工場は今のところどこからも発表されていない。300mmウェハ製造工場への新規投資には、少なくとも20億ドルの費用がかかり、生産を開始できるようになるまでに2年以上を要する。つまり、生産能力の追加(投資/建設計画が即座に発表されたとして)、すぐに立ち上げられるものでもなく、早くても2024年まで行われないこととなる。
さらにウェハサプライヤは、新しいグリーンフィールド(新規工場)投資には、大口顧客が今より高い価格設定に基づくLTA(長期購入契約)が前提になるとしている。
この新しいグリーンフィールドプロジェクトは、日本と東南アジアで実施される可能性があると思われていたが、先般決定された米国のCHIPS for America法による資金提供により、Intel、Samsung、およびTSMCが進める米国内ファブ投資のサポートに向け米国で実施される可能性もあるという。