Nexperiaは6月17日、ドイツと英国のウェハファブ、中国、マレーシア、フィリピンのアセンブリ工場、ドイツ、英国、マレーシア、香港の研究開発拠点に対し、今後の12~15か月間で7億ドルの投資を行う計画であることを発表した。
新規投資により、すべての拠点での生産能力を拡大するとともに、GaN半導体やパワーマネジメントICなどの分野の研究開発を推進するという。また、半導体設計者や製造エンジニアの新規採用を検討しており、今回の投資にはこうした採用活動のサポート費用も含まれているという。
この生産能力増強により、独ハンブルクのファブの生産能力は現在の月産3万5000枚超(8インチ相当、年間700億個に相当)から、2022年半ば以降に20%増大されることとなる。また、英マンチェスター専用TrenchMOSファブの生産能力も、現在の月産2万4000枚(8インチ相当)から、2022年半ばまでに10%増大させるとしている。
Nexperiaの最高執行責任者(COO)であるAchim Kempe氏は、「半導体市場は、2020年上半期の困難な時期を乗り越え、今では好況期を迎えている。Nexperiaでも2020年第3四半期以降、需要が拡大しており、2020年の売り上げは14億ドルを記録。この勢いは現在も維持されており、今後も長期的に継続すると期待される。そのため、今回の7億ドルの投資を行うことで、需要の増大に対応する製品の量産に必要な技術と生産能力の継続的な提供を可能にしていく」と述べている。
なお、今回の投資は世界的な成長の実現、業界での実績と市場シェア拡大に向けたNexperiaの戦略に沿ったものだという。NexperiaのMOSFET/GaN FETビジネス担当ゼネラル・マネージャのToni Versluijs氏は、「パンデミックの前でもNexperiaは強力な世界的成長戦略を取ってきた。そうした努力が現在、成果を生んでいる。その一例として、マンチェスターの新8インチ製造ラインからの初のパワーMOSFETのリリースが近々予定されている。新型コロナウィルスによる混乱からの回復にあわせて、我々は製品、プロセス、人材に対する投資を行っていく」と述べている。