リコーは6月17日、文書や画像、音声などの各種データを自然言語処理AIで分析することで、業務の効率化を支援する「仕事のAI」を提供開始すると発表し、記者会見を行った。発売開始は7月15日を予定している。
「仕事のAI」は、リコージャパンがニューノーマル環境下での業務効率化や、生産性向上を実現するソリューション商品群として提供する「RICOH Digital Processing Service」のラインアップの一つ。同社はその第1弾として7月15日に、食品業界の大手・中堅企業に向けて「RICOH 品質分析サービス Standard for 食品業」を発売する。
会見の冒頭で、リコー 代表取締役社長 執行役員 CEO 山下良則氏は、今回の新規事業の開始について「今後、日本は生産年齢人口が減少していくことが予想され、さらに、デジタル化についても諸外国に後れを取っている。われわれはデジタルで"はたらく"ことの生産性を向上することで、新たな価値の創造を支え、経済の活性化に貢献できると考えている」と述べた。
「仕事のAI」はサービス利用者が提供した文書や映像、画像、音声などのデータを同社が開発した自然言語処理AIが分析し、さまざまな事象の動向や傾向の把握、将来の予測などを効率的かつ高精度に行うことを支援するもの。「問題の発見」「課題解決策の策定」「新たな価値の創出」といった付加価値の高い業務をスムーズに行えるように支援するとのこと。なお、利用者の提供した情報は個別に管理され、第三者に提供されることはないという。
「RICOH 品質分析サービス Standard for 食品業」は、コールセンターやヘルプデスクに日々集まる膨大なVOC(Voice of Customer)をAIで分析し、重要度順に表示する。この結果を基に、利用者は効率的に重要度の高い項目を確認できるようになり、迅速な顧客対応やリスク低減につながるとのこと。第1弾は食品業に限定してのサービス提供としているが、今後は小売業や製造業へのサービス拡大を見込んでいる。
会見の中でリコー・ジャパン 代表取締役 社長執行役員 坂主智弘氏は、「同サービスを利用してもらうためには、お客様に信頼していただいて、ドキュメント情報を預けていただく必要がある。手前味噌ではあるが、全国の営業担当やサービス担当が定期的にお客様を訪問し、顔の見えるビジネスを80数年続けてきた。また、ICTビジネスに携わる基礎能力のある企業だと自負している。そういう意味で、お客様にお任せいただけるはず」とコメントした。