東芝グループの東芝マテリアルは6月17日、同社が開発した光触媒「ルネキャット」が、新型コロナウイルス(COVID-19)に対して一定の感染力抑制の効果を持つことを確認したと発表した。
同発表によると、同社と日本医療研究開発機構(AMED)が実施したルネキャットを塗布したウイルスの感染力を測定する試験において、「ウイルス感染価(実験的に測定されるウイルスの細胞感染能力)が99.2%以上低下する」との結果が確認されたという。
東芝マテリアルが開発した「ルネキャット」は、室内の光で抗菌・抗ウイルス・消臭効果を発揮する可視光応答型光触媒。床や壁などに噴霧することで抗菌・抗ウイルス・消臭効果を発揮し、これまでも、鳥インフルエンザウイルスやO157、黄色ブドウ球菌などを抑制することが外部機関の試験によって確認されている。
現在、COVID-19の感染対策として、一般的なアルコールや次亜塩素酸ナトリウム水溶液による消毒が広く使われているが、それらは蒸発すると効果がなくなる。一方で、光触媒は即効性はアルコールなどには及ばないものの、固体のため蒸発せず、効果が持続するという特徴がある。
東芝グループは、ルネキャットがウイルスを抑制する効果はあるが感染予防を保証するものではないとし、さまざまなウイルス抑制手段の一つとして期待できると考えを示した。