NECは6月14日、同社自身のコーポレートトランスフォーメーション(CX:企業の根幹からの変革)を加速させるプロジェクトを開始すると発表した。

同社は、2021年4月に代表取締役執行役員社長兼CEOの森田隆之氏直下にCXを加速する「Transformation Office」を立ち上げた。End to End(E2E)のデータドリブン経営へのシフトや、次世代デジタル基盤改革、さらなる社員の働き方改革などを進めていく考えだ。また、同社自身の取り組みをリファレンスモデル化し、顧客の課題解決に向けてオファリングとして提供する。

  • NECのCXを加速させる「Transformation Office」概要

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同プロジェクトは、同社が2021年5月12日に発表した「2025中期経営計画」における文化と経営基盤の変革を実行するもので、制度、プロセス・組織、ITにデータ・人を加えた「三位一体 Plus Oneの改革」を約150のサブプロジェクトで遂行するとしている。

同社はまず、E2Eデータドリブン経営を推進する。全領域のデータアーキテクチャを企業のベースレジストリとしてリデザインし、データの価値を最大化し経営人材の高度化につなげる。

  • E2E データドリブン経営の推進

また、コーポレート機能およびコーポレートガバナンスの再構築と、それに合わせた営業・経理・財務などの各領域情報を一元的に管理できる仕組みを構築する。データを中心とした経営戦略を実行する体制に変革する。

  • コーポレート機能のリデザイン

一方で、同社が掲げる社員の働き方改革「Smart Work」の取り組みを加速させる。同社は2018年より、オフィスや制度の改革や、ITツールの普及などを進めてきており、Web会議の活用をはじめテレワーク率85%達成を実現させている。

同プロジェクトでは、次のステージとして「働きがい」の向上に取り組む。信頼・挑戦・成長・誇りの4つの経験をサポートする「働きがい創造モデル」を策定して、社員の自律的なキャリアデザインを可能にし、働きがいを実感できる環境を提供していくとしている。

  • NECのこれからの「働き方改革」の考え方

また同社は、働き方改革だけでなく、2025年までに700超の社内システムをモダナイゼーションし、次世代デジタル基盤への変革に取り組む。グローバルレベルの基幹システム統合は完了させており、今後はさらに、制度・業務プロセス・ITの三位一体にデータを加え全社改革を加速させる考え。

  • モダナイゼーションも加速

NECの最先端技術とエンジニアリング手法などを取り入れるとともに、ここで得た知見でオファリングをさらに強化していくとしている。さらに同社は、「Transformation Office」の取り組みを加速させていくため、グローバルパートナーとの連携を強化させる。コーポレートインフラ改革では、AWS、SAP、Servicenowと、働き方改革では、Microsoftとともに実行していくとのことだ。