サイボウズは6月14日、杉並区が児童虐待の対応強化を目的に、保育園をはじめとする、子どもが属する関係機関との情報共有ツールとして、「kintone(キントーン)」の利用を開始したと発表した。

  • 「kintone」を活用した情報共有のイメージ

同社は今回の取り組みについて、保育園や学校などからの連絡をタイムリーに行い、対応すべき児童と傾向を的確に把握することが可能になったとしている。6月より、37の区立保育園と児童出欠状況の情報共有を開始しており、今後は私立保育園、幼稚園、学校など関係機関との情報共有での活用を進めていく考え。

杉並区の田中良区長は同取り組みに対し「区の子ども家庭支援センターに寄せられる児童虐待に関する相談・通告件数は近年大幅に増えています。新型コロナウイルス感染症の拡大は、子どもの見守り機会の減少や、外出自粛などのストレスの高まりから家族関係の悪化を引き起こすなどの影響を及ぼし、児童虐待のリスクは高まっています。このような状況においても、支援が必要な子どもたちの様子を定期的に把握することが、児童虐待防止の取組には欠かせません。子ども家庭支援センターと関係機関との情報共有を迅速かつ確実に行うために「kintone」を活用し、子どもの命を守る取組にしっかりとつなげてまいります」とコメントした。

杉並区では従来、保育園や学校から月に一回の出欠状況を、表計算ソフトやメールで回収していたが、毎月約100通のメールが届くため、正確な情報把握と集計作業には時間を要していたという。同取り組みによって対応すべき児童と傾向を的確に把握できるようになり、同社は今後、子どもの見守り機会が減少し児童虐待のリスクが高まっていることから、食を通じて子どもの定期的な状況把握にも取り組んでいくとのこと。