京セラは6月10日、独自の物体認識AI技術を活用することで、1台のカメラで重なりあった複数の商品を即座に認識したり、新規商品登録時の学習時間を従来手法に比べ削減することなどを可能とした画像認識型「スマート無人レジシステム」を開発したと発表した。

  • スマート無人レジシステム

    開発された「スマート無人レジシステム」の概要 (資料提供:京セラ)

少子高齢化社会に入った日本では、労働人口の減少に伴う店舗運営の効率化や省人化、さらには新型コロナウイルス感染症対策としての店舗内での対人接触機会の削減といったニーズが顕在化している。こうしたニーズを踏まえ、セルフレジの採用などが進みつつあるが、設備投資やメンテナンスなどを行う必要があり、そうした負担の軽減が課題となっている。

こうした社会背景を踏まえ、京セラは2019年、深層学習を活用する形で開発してきた独自の物体認識AI技術をレジシステムとして適用することを思い立ったという。

その特徴はAIを活用することで1台のカメラとPC、ディスプレイだけで物体認識を可能とすることで低コスト化を実現。商品が重なった状態や、手に持った状態であっても識別を可能としたほか、新規商品の登録も既存商品の再学習をすることなく行うことができるようにしたという。

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  • 「スマート無人レジシステム」の3つの特長 (資料提供:京セラ)

なお、同社では、現在は事業化に向けた検討を進めている段階としており、まずは10月に大阪で開催される流通業向けITシステム総合展「リテールテックOSAKA Online2021」へ出展する予定であり、そこでの披露を機に、社外のパートナーとの連携を図っていきたいとしている。