プライム・ストラテジーは6月9日、WordPress実行環境「KUSANAGI」が提供開始から6年で、5万台を超えたと発表した。あわせて、「KUSANAGI」を基盤とする新サービスに関するロードマップも公開した。
テレワークの継続やDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速が今後もしばらく続くことを見据え、同社は「KUSANAGI」の開発・提供に加え、 「KUSANAGI」を基盤とする新たなサービスの開発・展開に取り組む。
「KUSANAGI 9」は現在、Microsoft Azureのみの対応としているため、来期以降を目処に他のパブリッククラウドへの展開やビジネスユース向けの有償版「KUSANAGI 」Premium Edition、Business Editionでの対応を進めていく予定としている。
代表取締役の中村けん牛氏は、「今後、KUSANAGIに求められる機能として、自動化、可視化、AIエンジンが考えられる。こうした技術によって、テレワークやDXにまつわる社会課題を解決していきたい」と語る。
現在開発中のサービスは、「KUSANAGI Cloud エンタープライズ版(仮称)」「経営層向けマネジメントシステム」「リモート 制御技術 および AI による業務プロセス自動化 システム」。
「KUSANAGI Cloud エンタープライズ版(仮称)」は、同社が社内で運用管理システムとして開発・運用している「KUSANAGI Cloud」を、一般に向けて公開するもの。「KUSANAGI Cloud」では、データを解析して、運用管理における課題を検出し、その解決策を提案してくれる。
「経営層向けマネジメントシステム」は、クラウドサービスで管理している会計や労務、営業、プロジェクトなどの情報のうち、経営にとって重要な指標となりうるデータを、「経営ダッ シュボード 」に集約して、リアルタイムかつ自動的に可視化することで、経営の重要なデータを一元管理するもの。
中村氏は、「経営層向けマネジメントシステム」の最大の特徴として、「ビジネスプロセスを変更することなく利用できること」を挙げた。「経営層向けマネジメントシステム」と同じことができるサービスもあるが、カスタマイズが必要になるケースも少なくない。「経営層向けマネジメントシステム」は他のサービスと連携するだけで、経営に必要なデータの一元管理を実現する。
「リモート制御技術およびAIによる業務プロセス自動化システム」は、同社では人災採用に導入されているという。同システムは、ダイレクトリクルーティングなどにおける候補者のデータをリモート制御技術により取得し、AIが分析して同社と適合度の高い候補者を抽出し、スコア付けを行う。 さらに、スコアに応じた適切なアプローチ方法をAIが提示する。
中村氏によると、このシステムによって、応募してくる人材の質が上がったうえ、採用にかかる手間が削減されたという。
中村氏は、「当社は新型コロナウイルスをきっかけに全面的にテレワークを導入したが、KUSANAGI CloudやAIを活用することによって、業務の自動化が進み、生産性を上げることができた。売上は変わっていないが、利益は増えている」と、コロナ禍でも技術を活用することで、業績が上がっていると語っていた。