NTTコミュニケーションズ(NTT Com)と三井不動産は6月3日、愛知県名古屋市の久屋大通公園の一部エリア(Hisaya-odori Park)で実店舗とバーチャル店舗の垣根を超えた来店データを活用して新たな顧客体験を創出する共同実験を開始した。
本実験では全長900mにわたる久屋大通公園の北エリア・テレビ塔エリア(Hisaya-odori Park)をCGで再現し構成した「Hisaya Digital Park」がVRで体験可能となる。バーチャル空間に再現された店舗は実店舗としても存在しており、高精度カメラで撮影された映像を基に再現されたバーチャル店舗をパソコンやスマートフォン、タブレットからいつでも、どこからでも体験できる。またバーチャル空間上で店舗のサービスや動画コンテンツなども視聴可能とのこと。
実店舗とバーチャル店舗の来店情報統合により利用者の生活スタイルを可視化し、実店舗とバーチャル店舗の垣根を超えた双方向の送客により利用者との更なる接点拡大を目指す狙いだ。本実験により実店舗およびバーチャル店舗の利用者層の差とその行動パターンなどを分析することで、よりきめ細やかなサービスの提供を目指すとしている。
NTTグループはこれまでに、ICTを活用し社会的な課題を解決する「Smart World」の実現に向け北海道札幌市や千葉県千葉市などでデータ利活用やMaaSなどをテーマにした取り組みを進めており、アメリカラスベガスでは街中のカメラ映像や各種センサーからのビッグデータを事故や犯罪の防止に役立てている。
三井不動産はHisaya-odori Parkの指定管理者として公園の維持管理を担っており、安心安全な公園運営を目指している。今回の共同実験を通じ、より安全性の高い公園管理の実現を目指し事故防止や防犯に努め地域住民からも安心される街づくりに貢献するとしている。
検証は2021年12月まで予定されており、両社は本実験結果を活かしてより多くの利用者が自らの嗜好に合った店舗での飲食やショッピングを楽しめるにぎわいと魅力にあふれた空間の形成を目指す。今後は対象となる店舗や近隣施設の拡大が予定され、さらに本実験以外のエリアにおいてもリアルとバーチャルを融合した新たな顧客体験や価値の創出と向上を検討していく狙いだ。