IDC Japanは6月1日、企業向けイーサネットスイッチ、企業向けルーター、企業向け無線LAN機器で構成する国内企業向けネットワーク機器市場に関する市場動向に関して、2020年の国内企業向けネットワーク機器市場は、2019年と比べてプラス10.1%であり、市場規模(支出額ベース)は2704億2200万円になるとの予測を発表した。
2020年における同市場のプラス成長の要因として同社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で経済活動が停滞したにも関わらず、GIGAスクール構想に向けたネットワーク構築が進んだことを挙げている。GIGAスクール構想に伴うネットワーク構築需要は、イーサネットスイッチ市場と無線LAN機器市場に大きな影響を与えたという。
特に無線LAN機器市場は前年比成長率で54.2%と大きく成長し、市場規模は468億5100万円と過去最大を記録したとのこと。また、2020年の同市場においてGIGAスクール向けが占める割合は4割近くに達し、成長のほとんどをGIGAスクール向けが担ったと同社は分析する。
今後の国内企業向けネットワーク機器市場に関して同社は、無線LANをネットワークアクセスの中心に据えた企業ネットワークの進展に伴う無線LANの新規需要は期待できるものの、基本的には成熟市場だと見る。
また、2020年から2025年におけるの年間平均成長率(CAGR)は、GIGAスクール特需に沸いた2020年が起点になることもあり、企業向けネットワーク機器市場全体(支出額ベース)でマイナス2.3%と同社は予測する。
一方、クラウド管理型ネットワークソリューションの中で最も先行しているクラウド管理型無線LAN機器市場については、2020年のGIGAスクール向け特需の影響を除いた2019年から2025年の6年間のCAGRは、13.1%と同社は予測している。