NTTデータは5月28日、米国Scope AR社の「WorkLink」を活用したAR(Augmented Reality:拡張現実)作業支援サービスを5月28日より提供開始すると発表した。

WorkLinkは、ARによって実現された3Dマニュアルを用いた作業支援と、遠隔地からの有識者による作業支援を同時に利用することが可能なプラットフォーム。

NTTデータでは、WorkLinkの販売をはじめ、独自の文書読解AIソリューション「LITRON」を活用したWorkLink用3Dマニュアル作成の自動化や、ServiceNowなどのシステムと連携させることで現場作業の進捗管理の一元化を実現するという。

サービスとしては、3Dマニュアル作成支援サービスとインテグレーションサービスを提供する。

  • サービス提供イメージ

NTTデータでは、作業者の現場作業や作業前トレーニングを行う際に、有識者が同席している状況と同等の作業環境を提供できる作業支援プラットフォームの提供と、導入に伴う軽減することを目的とし、米国の大手重工業メーカーなどで多くの導入実績があるScope AR社との協議や連携機能開発を進めてきた。

3Dマニュアル作成支援サービスでは、顧客が保有する製品マニュアルやメンテナンス手順書を元に、WorkLink用3Dマニュアルを作成。作業対象機器スキャンによる3Dマニュアルへの取り込みや、既存マニュアルでは表現できない3Dアニメーションによる作業手順の追加実装など、3Dマニュアルの高品質化をNTTデータが支援する。

  • 「WorkLink」サービス特徴

また、NTTデータが提供する文書読解AIソリューションLITRONおよびRPAツールとの連携により、マニュアルからテキストデータおよび知識を自動抽出し、大量の3Dマニュアルを作成する作業時間を削減する。

インテグレーションサービスは、WorkLinkと他システムを連携させる。例えば、ITシステム運用やフィールド作業などで発生するさまざまな情報・業務の管理プラットフォームであるServiceNowと連携させた場合、割り当てられた現場作業のタスクに応じてWorkLink内の適切な3Dマニュアルを呼び出したり、WorkLinkに記録された作業者や作業に要した時間などのデータをServiceNowに蓄積して分析まで行うことができるという。

ユースケースとしては、製造業における製造工程およびメンテナンス作業、製造業における自社製品マニュアルの3D化、電気・ガス・水道などのユーティリティー業の保守点検作業、流通業などの現場作業などを想定している。

NTTデータは、本サービスを製造業やユーティリティー業、流通業など、現場での作業が必要となるさまざまな分野へ販売し、2024年度末までに100社以上の販売を目指す。