NVIDIAは5月27日、同社のGPU「A100」が6159個搭載されたスーパーコンピューター「Perlmutter」がアメリカの国立エネルギー研究科学計算センター(NERSC)で稼働を開始したことを発表した。
Perlmutterで搭載されるA100を活用する研究としては、例えば1回で5,000個の銀河を撮影できる宇宙カメラ「DARK ENERGY Spectroscopic Instrument(DESI)」を用いた、宇宙の3Dマップ作成プロジェクトが挙げられる。
同プロジェクトは宇宙の膨張の背後にある“ダークエネルギー”に光を当てることを目的としたもので、従来の演算性能ではDESIの1年分のデータを公開するため数週間から数か月の準備時間を必要としていたが、Perlmutterを活用することで、数日間で作業を終えることが可能になるという。
NERSCのデータアーキテクトであるRollin Thomas氏は「GPUを使った準備作業で20倍のスピードアップが得られたことに非常に満足しています」とコメントを寄せた。
そのほか、材料科学の分野として、より優れたバッテリーやバイオ燃料の開発につながる原子間相互作用の発見に向けPerlmutterを活用する予定だという。これは、A100に搭載されているTensor Coreにより、シミュレーションならびにディープラーニングに必要な演算が高速化されるためだという。
なお、Perlmutterはこれら以外にも天体物理学や気候科学を中心としたさまざまな分野で活用される予定だという。