MicrosoftはWindows 10に対し、月に1回の脆弱性やバグ修正を目的とした累積更新プログラムの提供と、年に2回の新機能追加を目的とした大型アップデートの提供を行っている。機能追加のアップデートは、大体5月と10月に配信が始まり、それぞれバージョン名が「西暦下2桁H1」「西暦下2桁H2」となる。2021年5月に提供される新機能追加のアップデートは「version 21H1」ということになる。

Microsoftは5月18日(米国時間)、「How to get the Windows 10 May 2021 Update|Windows Experience Blog」において、この新機能追加アップデートとなる「Windows 10, version 21H1」の配信を開始したと伝えた。Microsoftは、この1年間ユーザーから寄せられた要望をこのバージョンに反映したとしており、特にテレワーク、学習、遊びの継続に力を入れたバージョンと説明している。

配信開始当初は次のプラットフォームに対しアップデートが提供される。

  • Windows 10, version 20H2
  • Windows 10, version 2004

また、しばらくはアドバンスドユーザーを対象とした配信となり、明示的に設定アプリケーションから「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新プログラムのチェック」を実行したユーザーで、かつ、使用しているPCが配信条件をクリアしている場合にのみ、アップデートができる仕組みになっている。

  • 設定アプリケーションの「更新とセキュリティ」→「Windows Update」からversion 21H1へのアップデートを開始(条件あり)

    設定アプリケーションの「更新とセキュリティ」→「Windows Update」からversion 21H1へのアップデートを開始(条件あり)

アップデートそのものはこれまでの機能追加アップデートと比較すると軽量で、比較的短時間で完了するとされている。

Betanewsは「Windows 10 May 2021 Update (21H1) is now available -- here's what's new and how to get it」において、重大な問題が発生する可能性を避けるため、上記のように手動でアップデートすることは控えたほうがよいとアドバイスしている。また、新機能の追加もこれまでと比較して目玉機能はなく、様子を見たほうがよいというスタンスで意見をまとめている。

なお、PCが条件を満たさないユーザーの場合、長期にわたって機能追加更新は表示されないことがある。Microsoftはこれまで、しばらくするとISOベースのアップデート方法や更新プログラムを使ったアップデート方法などを提供しており、今回も同様のアップデート手段の提供が開始されるのではないかと見られる。