QDレーザーは、「With My Eyes」プロジェクトの第2弾としてJALグループの航空会社であるジェイ・エアの協力のもとQDレーザーが保有する網膜投影技術を用いたカメラ型デバイス「RETISSA SUPER CAPTURE」により、飛行機内から視覚に不自由さを抱えるパラアスリートが写真撮影会を行う動画を公開した。

同プロジェクトは、全世界で2.5億人と推定されている、矯正眼鏡を装用しても視覚に不自由さを抱えるロービジョン者の“見えづらい”を“見える”に変えることを目指し、他企業とも連携する形で取り組んでいるもの。現在、その連携企業は、ジェイ・エアのほか、インターメスティック、三井物産、参天製薬、東京センチュリー、MTG、第一生命保険、ソニー、AOIProの9社だ。

プロジェクトの第1弾ではメガネブランドZoffを展開するインターメスティックと連携して実施。RETISSA SUPER CAPTUREでロービジョン者が撮影した写真の展示会をZoff原宿店で開催した。

撮影に用いられたRETISSA SUPER CAPTUREはQDレーザーが開発した「レーザー網膜投影」技術を用いたカメラだ。

  • RETISSA SUPER CAPTURE

    RETISSA SUPER CAPTURE (提供:QDレーザー)

レーザー網膜投影は瞳孔を通って入射した微弱なレーザー光で直接網膜に映像を描き出すという技術で、網膜上にレーザーを当てて映像をつくるため、視力調節機能の影響を受けづらいという特徴がある。そのため、このカメラのレンズを通してはっきりとした映像を見ることができるという。

同技術を応用した目に疾患を抱えたロービジョン者向けの網膜投影用のアイウェアは、すでに国内で医療機器製造販売承認を取得し、実際に販売されている。

今回公開された動画では、パラ陸上競技の川井涼雅選手、パラ水泳競技の清水滉太選手、パラ陸上競技の佐藤かえで選手が飛行機に搭乗し、上空から写真撮影を行う様子が描かれている。

公開されたWith My Eyesプロジェクト第二弾「見えなかった世界を、見に行こう。」

参加した選手たちは景色の撮影を楽しんだことはもちろんながら、それ以上に興味を示したのは、普段ははっきりと見えないという文字について。選手からは、「機体にかいている字が読めて面白い」といった感想が出るなど、いつもと違う日常を見れたことに関心を示していた。

なお、今回用いられたRETISSA SUPER CAPTUREは試作機となるが、同社では製品化を想定し開発を続けていくとしている。