Visual Studioエンジニアリングチームは5月7日(米国時間)、「2x-3x Performance Improvements for Debug Builds|C++ Team Blog」において、「Visual Studio 2019 バージョン16.10 Preview 2」のx86/x64 C++コンパイラデバッグビルドのパフォーマンスを大幅に向上することに成功したと伝えた。確認したプロジェクトでは2倍から3倍のスピードアップが観測されているという。C++を使った開発をしている場合、今後リリースされるバージョンでデバッグにかかる時間の短縮化が実現される可能性がある。
デバッグビルドパフォーマンスの向上はデフォルトで有効になっているランタイムチェック(/RTC)によって発生していたオーバーヘッドを削減することによって実現したとされている。主な原因は不要な初期化にあり、これまでスタック領域を毎回初期化していた処理を確実に必要になるケースでのみ初期化するように変更することでパフォーマンスの引き上げに成功したとのことだ。
Visual Studioエンジニアリングチームは、プロジェクトをデフォルトのデバッグ設定でコンパイルすることでパフォーマンステストを実施。試したすべてのプロジェクトにおいて2倍から3倍の改善が見られたと報告している。STLを多用するプロジェクトでは、さらに大きな改善が見られる可能性があるということにも言及している。