2020年のIC市場に占めるファブレス企業の売上高は、前年比24%増と伸びたがIDMは同8%増にとどまった結果、ファブレス企業がIC市場全体に占める割合は過去最高となる32.8%を記録したとIC Insightsが発表した。
ファブレス企業のIC売上高に対する成長率がIDMのそれを上回ることが近年状態かしてきており、IDMがファブレスの成長率を上回ったのは2002年から2020年までの帰還で、2010年、2017年、2018年の3回のみとなっている。また、2019年はメモリバブルの崩壊により、IDMの売上高は前年比20%減となったが、ファブレスは同1%減に留まっていた。IDMはメモリ市場の浮き沈みが激しいこともあり、2010年から2020年の平均年間成長率は3%にとどまっており、同期間のIC市場全体の平均年間成長率4%よりも低い値となっているが、同期間のファブレス/システムLSI企業の平均年間成長率は8%と高い伸びを示し続けている。
こうしたファブレスの成長は、徐々にIC市場での存在感を増すことにつながっており、2002年にIC市場に占めるファブレスの売上高の割合は13%ほどであったが、2014年に30.2%と初めて30%超えを達成。2017年、2018年はメモリバブルでその割合を下げたものの、メモリバブル崩壊の2019年には29.9%まで高め、2020年はQualcommやMediaTekなどの躍進もあり、32.8%と過去最高を記録したという。
なお、IC Insightsでは、ファブレスの存在感は今後も増していき、IC市場に占める割合は今後5年間で30%半ばまで増加していくと予測している。