OpenBSDプロジェクトは5月1日(カナダ時間)、「OpenBSD 6.9」において、OpenBSDの最新版となる「OpenBSD 6.9」の公開を伝えた。対応する主なアーキテクチャはalpha、amd64、arm64、armv7、hppa、i386、landisk、loongson、luna88k、macppc、octeon、sparc64など。OpenBSD 6.8からOpenBSD 6.9へアップグレードする方法は「OpenBSD Upgrade Guide: 6.8 to 6.9」に手順がまとまっている。
OpenBSD 6.9の主な注目ポイントは次のとおり。
- Apple M1 MacにおけるOpenBSDマルチユーザー起動の実現(まだ開発初期の段階)
- powerpc64プラットフォームサポートの改善
- ネットワークスタックのマルチコア対応の改善
- 新しい仮想イーサネットブリッジドライバveb(4)の導入
- 移動しながらネットワークを使用するユーザ向けの新しいデーモンdhcpleased(8)およびresolvd(8)の導入
- rpki-client(8)におけるRRDP (RPKI Repository Delta Protocol (RFC 8182))の初期サポート
- ビデオレコーディングに関するプライバシー制御を強化するkern.video.record sysctl(8)値の導入(kern.audio.recordに類似したパラメータ)
- パッケージのアップデート
まだ初期の取り組みとなるが、Apple M1 MacでOpenBSDをマルチユーザーモードで起動することに成功したとされている。まだ動作を確認した段階だが、今後対応が進むのではないかと見られる。
OpenBSDプロジェクトはOpenSSHの開発も行うなど、特にセキュリティ関係のソフトウェア開発に積極的に取り組んでいる。半年ごとにOpenBSDの新しいバージョンを公開している。