SK Hynixは4月28日、2021年第1四半期の業績を発表した。それによると、売上高は前年同期比18%増の8兆4942億ウォン、営業利益は同66%増の1兆3244億ウォン、営業利益率16%、純利益9926億ウォン、純利益率12%となったという。
DRAMは、モバイル、PC、グラフィックス製品を中心に販売数が増加し、前四半期比でビット出荷数量が4%増加した。NANDも、モバイル機器向けに大容量製品の販売数が増え、前四半期比でビット出荷数量が21%増加したとするが、平均販売価格はDRAMが4%増となったものの、NAND型は7%減となったという。
同社は、「通常第1四半期はオフシーズンだが、PCとスマホ向けメモリ需要が増し、業績に貢献したほか、主な製品の製造歩留まりが改善され、コスト競争力も高まったことが好業績をもたらした」と説明している。
メモリの好況は今後も持続
今後の市場についてだが、DRAMは需要が継続的に増えるとするほか、NAND市況も改善されるとの見通しを示しており、それに併せるようにDRAMでは主力の10nmクラスの第3世代(1z)製品の生産量を増やしつつ、EUVを活用した第4世代(1a)製品の開発終了次第、年内にも生産を開始する計画だとしている。一方のNANDは128層品の販売比率を高め、年内にも176層品の量産を開始する計画だとしている。
また、ファウンドリ事業については、「当面は、200mmウェハに集中して投資する計画を立てており、すぐに300mmや先端プロセスへ進出するとは計画していない」とする。同社は、先端チップではないレガシーチップの需要も十分あると見ており、既存ラインを使った200mmファウンドリ事業の今後を肯定的にとらえている。
さらに、車載半導体の不足についても「半導体メーカーとして責任感を感じている」と述べており、今後、積極的に対応していくとしている。同社は、将来的には300mmウェハに対応する先端ファウンドリ事業に参入し、Samsungに対抗したいとしているが、現状では、先端ロジックに対応できる技術や人材を持ち合わせておらず、IntelのNAND事業買収ならびにキオクシアの件を終えた後に、中堅ファウンドリのM&Aあるいは技術導入を行うのではないかと韓国半導体関係者は見ている。