台湾半導体ファブレス最大手のMediaTekは4月28日、2021年第1四半期(1~3月期)の売上高が前年同期比77.5%増の1080億NTドル、純利益は同344.1%増の258億NTドルとなり、いずれも四半期ベースで過去最高を記録したと発表したほか、2021年通期の売上高が過去最高の4割増となる見通しも明らかにした。

特に5G対応スマートフォン(スマホ)向けチップセットの売り上げが伸びており、中でも中国スマホメーカーへの販売がきわめて好調だという。MediaTekは、ライバルであるQualcommが得意とする高価格帯スマホ向け半導体の開発に成功し、廉価モデルから高級モデルまでラインナップを揃えることで、Qualcommとの競争を激化させている模様である。

同社によると、第2四半期(4~6月期)の売上高は同76~89%増の1188億~1275億NTドルとの見通しを示している。なお、米国政府による中国への規制は、中国市場全体への5Gスマホ向けチップ、あるいは半導体チップ全般の販売を禁じているようなことはなく、ごく一部の企業のしかも一部の最先端プロセスを使用した製品の販売を禁じているだけで、その分他の中国企業に拡販できるので、中国や米国のファブレス企業にとっての巨大市場である中国での製品販売額は増加し続けている。