ニコンは4月26日、同社が長年培ってきた露光装置の技術を活用した独自の金属加工機「Lasermeisterシリーズ」の新製品として、チタン合金による金属造形が可能な光加工機「Lasermeister 102A」を発売した。
同製品は、2020年5月に発表した「Lasermeister 101A」の上位に位置づけられる機種で、Lasermeister 101Aで採用した5軸制御機構を踏襲し、コンパクトな製品サイズを維持しながら機能を向上させたモデルとなっている。また、使用可能な粉種として、従来のSUS、ハイス鋼、Ni基合金に加え、新たにチタン合金(Ti-6Al-4V)を追加したとするほか、造形品質を実質的に損なうことなく、再利用粉体の使用も可能としたという。加えて、粉体供給時に、粉体を高速で観察して粉体供給動作を制御する「パウダーサプライフィードバック」機能を搭載し、造形品質を向上させることも可能としたとする。
さらに、金属の溶融状態を高速で観測、造形動作を制御する「メルトプールフィードバック機能」を新たに追加し、品質を向上させつつ、Lasermeister 101A比で、約2倍の造形速度を実現したとするほか、寸法精度と表面粗さも向上させつつ、均一な凝固状態を保つことで造形時の欠陥を減少させることも可能としたという。
加えて、金属造形の品質が高まったことで、その後の工程の簡素化を図ることができるため、製造工程全体の生産性の向上も可能となるとしている。
なお、同製品は欧米をはじめとする海外の安全規格にも準拠しており、海外での販売も予定。日本では2021年5月より受注を開始するが、欧米でも2021年11月より受注を開始する予定だという。