SEMIによると、2020年の半導体材料市場(確定値)は前年比4.9%増の553億ドルと、これまでの最高額であった2018年の529億ドルを超え、過去最高を更新したという。

そのうち、ウェハプロセス材料が同6.5%増の349億ドル、パッケージング材料が同2.3%増の204億ドルで、ウェハプロセス材料では、フォトレジストおよびフォトレジスト関連材料、薬液、CMP分野が高い成長を遂げた。一方のパッケージング材料は、有機基板とボンディングワイヤ分野が牽引したという。

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    2019年および2020年の半導体材料市場の国・地域別販売額(単位:10億ドル)。その他の地域は、主にシンガポール、マレーシア、フィリピンなどの東南アジアを指す (出所:SEMI)

地域別では、台湾が124億ドルで、11年連続で世界最大の市場となった。これは台湾内に巨大なファウンドリと先進パッケージの拠点があることが影響しているとSEMIは指摘している。2位は積極的に生産能力の拡張を進めている中国が同12.0%の98億ドルとなり、2019年2位の韓国を抜いてランクイン。3位となった韓国も同3.9%増の92億ドルと堅調に推移。日本およびその他地域も堅調に成長したが、北米と欧州は新型コロナウイルス感染症の影響により、マイナス成長となったとSEMIでは説明している。

なおSEMIは、2020年7月に開催されたSEMICON WESTにおいて、2020年の半導体材料市場について2019年から横ばいとし、その後、同年12月に開催されたSEMICON Japanにて同2%増の539億ドルへと上方修正予測としていたが、最終的な確定値としては同4.9%増となったことは、半導体デバイス市場の予測と同様に、巣ごもり需要や、自動車市場の回復などによる2020年下半期の半導体需要の急騰を読み切れず、半導体生産量と連動する材料販売額を低めに予想したものとみられる。SEMIでは、2021年の半導体材料市場をを前年比5%増と予測しているが、今回の2020年実績値ならびに、最近の半導体メーカーの増産状況を加味した形の上方修正を、いずれ発表するものと見られる。