Microsoftは4月14日(米国時間)、Windows 10の累積アップデート「KB5001330」をリリースしたが、このアップデートを適用した一部のユーザーから、ゲーム使用時のパフォーマンスが低下しているという現象が報告されていた。この問題に対し、MicrosoftがKIR(Known Issue Rollback)と呼ばれる手法で緊急アップデートを発行したことを、BetaNewsが4月25日、「Microsoft issues emergency update to fix game performance problems caused by KB5000842 and KB5001330」で伝えている。
Microsoftでは、KB5001330のリリースノートにこのゲームパフォーマンスの問題に関する説明を追加した。
それによると、この問題の影響を受けるユーザーのほとんどは、全画面モードまたはボーダーレス ウィンドウモードで2つ以上のモニターを使用しているという。この問題はKB5001330のほかに3月29日にリリースされたプレビュー更新プログラム「KB5000842」でも発生しているとのことで、リリースページにはKB5001330と同様の説明が追加されている。
Microsoftは、この問題に対処するためにKB5001330およびKB5000842の該当機能をロールバックすることを決定した。このロールバックは、同社が2021年から導入したKIR(Known Issue Rollback)を呼ばれる方法を用いて行われるという。
KIRは、新しいコードを追加する際、修正前のコードを残したままにしておいて、ポリシーで新しいコードの有効・無効を切り替えるという仕組みになっている。デフォルトでは新しいコードが有効になるが、問題が発生した場合はクラウド上で設定が変更され、Windows UpdateやWindows Update Businessを通じて各デバイスに通知される。通知を受け取ったデバイスでは、次回の再起動時に変更が適用され、新しいコードが無効になる。
今回のゲームパフォーマンス問題に関するロールバックも、KIRによってMicrosoftのサーバ側で制御されるため、ユーザーは変更が通知されるのを待っていればよい。修正がデバイスに反映されるまで、最大で24時間かかる場合があるという。また、修正を完了させるにはデバイスを再起動する必要がある。