Mozillaは4月15日(米国時間)、Mozilla Add-ons Blogのエントリ「Built-in FTP implementation to be removed in Firefox 90|Mozilla Add-ons Blog」において、かねてより予告していた組み込みFTP実装の削除をFirefox 90で実施すると説明した。FTP機能は、まず同4月19日にリリース予定のFirefox 88でデフォルトで無効化され、Firefox 90で実装そのものが削除される方針だという。
現行のFirefoxにはFTPを利用するための実装が組み込まれており、URLが「ftp://」で始まるWebサイトにアクセスした場合にブラウザ上でファイルの一覧を表示することができる。Firefoxの開発チームは昨年にこのFTP実装を削除する計画を発表したが、新型コロナウィルス蔓延の影響を考慮して実施が延期されていた。
プレビュー版であるFirefox NightlyおよびFirefox BetaではすでにFTP機能はデフォルトで無効化されており、正式版でもFirefox 88で同様にデフォルトでの無効化が行われる。そして、Firefox 90では、ソースコードから実装が削除されて完全に利用できなくなるという。Firefox 90は2021年6月末頃にリリースされる予定となっている。
FTP機能が無効化された場合、「ftp://」のサイトにアクセスすると、下図のように外部アプリで開くかどうかを確認するプロンプトが表示されるようになる。
現行のFirefoxには、FTP機能のON/OFFを切り替えるフラグとして「browserSettings.ftpProtocolEnabled」が用意されている。だが、FTPが非推奨になると、このフラグは読み取り専用になり、ONに設定しても有効化されなくなる。拡張機能でもFTPプロトコルを扱うことができなくなるため、代替手段としてサポートされているプロトコルハンドラーのリストに「ftp」のエントリが追加されたという。これによって、拡張機能の開発者は特定のリンクの処理方法として、ユーザーにFTPアプリケーションの起動を促すことが可能になる。
Mozillaでは、FirefoxからFTP実装を削除する理由として、プロトコル自体が古くセキュアに設計されていないことや、使用頻度が低く積極的に開発リソースを割けないことなどを挙げている。ChromeやEdgeなどの他のブラウザでも、同様の理由でFTPのサポートが廃止されている。