Mozillaは4月16日(米国時間)、Mozilla Hacksの記事「QUIC and HTTP/3 Support now in Firefox Nightly and Beta - Mozilla Hacks - the Web developer blog」において、WebブラウザのFirefoxの開発バージョンであるFirefox NightlyとFirefox BetaがQUICおよびHTTP/3をデフォルトで有効化するようになったと伝えた。
安定版であるFirefox Stableではリリース88でロールアウトが開始される予定で、5月末までにはデフォルトでHTTP/3が利用可能になるという。
HTTP/3はHTTPの次期バージョンにあたり、Googleが開発したQUICと呼ばれるトランスポートプロトコルをベースとして仕様策定と開発が進められているものだ。QUICではトランスポート層にオーバーヘッドの小さいUDPを採用した上で、フロー制御やエラー処理のための独自技術を追加することで、HTTP/2よりも高速な通信を実現している。
Firefox NightlyおよびFirefox Betaでは、HTTP/3がデフォルトで有効化されており、通信先のWebサーバーがHTTP/3をサポートしている場合は自動でHTTP/3の使用を試みるという。現時点でFirefoxがサポートしているのはHTTP/3仕様のドラフト27から32で、Webサーバー側でこのいずれかのバージョンがサポートされている必要がある。HTTP/3の有効化/無効化は、下図のように設定画面の「実験的な機能」のメニューで設定可能。
次の図は、Cloudflareが提供しているHTTP/3のテスト用ページ(https://cloudflare-quic.com/)に、最新のFirefox Nightlyでアクセスした様子である。このページの表示で、HTTP/3で接続されていることが確認できる。また、開発者ツールでリクエストおよびレスポンスヘッダーを見てみると、実際にHTTP/3での通信が確立していることがわかる。
Firefox NightlyおよびFirefox Betaは次のサイトからダウンロードすることができる。