ワークマンは4月19日、日立製作所との協創を通じ、デジタル技術を用いて約10万品目の発注業務を自動化する新システムを2021年3月から2店舗に先行導入して稼働開始したと発表した。両社は今後、全国の「ワークマン」「WORKMAN Plus」「#ワークマン女子」を合わせた約900店舗を対象に同システムを適用拡大していく予定だ。
両社は、2020年からデジタル技術を使用した発注・在庫管理業務の自動化に向けた協創を開始。同システムは、全国展開するスーパーマーケットなどへの導入実績があるという日立の「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」を利用したもので、在庫回転率が低い品目に対応する「自動補充型」と、在庫回転率が高い品目に対応する「AI需要予測型」のアルゴリズムを併せ持ち、商品の売れ行きに応じて最適なアルゴリズムを自動で選択・切り替えすることができる。
アルゴリズムの切り替えや自動補充型アルゴリズムに関する制御パラメータを分析して一括でメンテナンスする運用サポートには、日立ソリューションズ東日本の需要予測・発注計画ソリューションである「SynCAS」を使用しているとのこと。
ワークマンは同システムの導入により、従来は各店舗において1日あたり約30分を要していた発注業務を約2分に短縮できたという。これにより、働き方改革と欠品の抑制、在庫の適正化を実現し、より魅力的な店舗づくりへの注力が可能になるとしている。
今後両社は、同システムを2021年11月までにワークマンの450店舗に導入し、順次、国内の全ての約900店舗へ展開していく予定だ。
また、ワークマンはさらなる事業拡大に向けて、プライベートブランドの商品開発や流通センターの増強などを進めているといい、サプライチェーン全体を最適化する仕組みづくりに向けて、両社は今後も協創を継続していく方針だという。