Bluetooth SIGは4月14日、2021年版のBluetoothの市場動向調査の結果(日本語版)を公開した。それによると、Bluetooth対応デバイス市場の伸びは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大により1年の停滞が発生した結果、2020年の年間出荷台数は2019年比で横ばいの40億台であったが、2021年以降は順調に回復が進み、2025年までに64億台へと増加する見込みだという。
2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、スマートフォンや自動車市場での伸びが鈍化した一方、ウェアラブルやスマートホーム関連が伸びた結果、2019年比でほぼ横ばいの結果となったという。
具体的には、感染症対策や治療における安全確保、ソーシャルディスタンスの確保などに向けたウェアラブルデバイスや医療機器での伸びが見られたほか、テレワークの増加によるキーボードなどのPC周辺機器の売り上げも増加傾向となったという。一方、マイナス成長となったのは位置情報サービス系で、新型コロナによる立ち入り制限などもあり、その導入数は予測よりもマイナスとなったとする。ただし、Bluetooth SIGによれば、アフターコロナにおけるオフィスでのソーシャルディスタンスの確保や人物の位置検知などで有効な技術であり、長期的に見れば市場の回復が期待されるとしている。特に医療用位置情報サービスの導入件数は2025年までに5倍に伸びるとみられるという。
2021年のBluetooth搭載機器で伸びが期待される分野の1つがヘッドホンで、年間で6億3300万台の出荷が期待されるとするほか、イヤホンや補聴器を含めたオーディオストリーミング分野が将来にかけてのBluetooth市場のけん引役となるとしている。例えば、Bluetooth対応イヤホンは2021年から2025年にかけて年間出荷台数が3.4倍に成長することが見込まれているほか、Bluetooth対応スピーカーも同1.5倍に増加すると見込まれており、2025年に出荷されるBluetooth対応イヤホンは年間5億2100万台に達するとしている。
また、ウェアラブルデバイスの伸びも期待されているという。それによると、2025年には年間4億台の市場に成長することが期待されており、中でもスマートウォッチは1億5600万台まで拡大することが期待されるとしている。さらに、もっともはやい成長が期待されるのがホームオートメーションならびに商用照明を中心としたBluetoothデバイスネットワークソリューションだとしており、DALI Allianceとの提携による機器連携なども今後進められていく予定で、そうした背景もあり2021年から2025年にかけての年間出荷台数は4.4倍の伸びが予測されるという。