三井化学の100%子会社である三井化学東セロは、半導体製造工程用保護テープ「イクロステープ」を製造している台湾現地法人である「台灣東喜璐機能膜」の生産能力を2倍以上に増やすと発表した。

台湾工場は2020年1月より営業運転を開始していたが、台湾における半導体製造の増強が続くことが見込まれ、それに伴い、半導体ウェハ工程の最後のバックグラインド工程で、ウエハ表面(回路形成面)を保護するために用いる密着テープである同製品の需要も増加することが期待されることから、生産能力を従来比2倍以上に拡大させることを決定したという。これにより、同工場での生産能力は年間760万m2に向上することとなる。

工場の拡張工事は2021年8月より開始され、2023年10月からの営業運転を開始する予定だとしているが、三井化学グループは、台湾工場の増設を行うことで、世界的な半導体需要の高まりに対応していくとともに、さらなる事業領域の拡大を目指していくとしている。

現在、海外の半導体メーカーを中心に、予測しがたい不測の事態に備えるためのBCP体制を強化し、サプライチェーンを極力自国内で完結しようという動きを見せている。また、素材サプライヤとの間で密に連絡を取り合い、次世代素材の共同開発を推進し、短納期での納入の実現に向け、日本からの輸出ではなく、半導体製造工場の近いところでの開発・生産することを望んでおり、日本の素材メーカーの多くもこうした要望に応える形で、台湾や韓国などへの進出を加速させている。

  • イクロステープ

    半導体製造工程用テープ「イクロステープ」