野村総合研究所(NR」)は4月12日、2021年3月1日より、退職給付制度のうちの「確定給付年金」を廃止する制度変更を行ったと発表した。
同社にはこれまで退職給付制度として、退職一時金、確定給付年金、確定拠出年金の制度があった。今回の制度変更により、健康寿命の延びやライフスタイルの多様化、雇用の流動化の加速、ペイナウ志向(退職給付として退職後で受け取るより、給与として今受け取りたいという志向)といった社員のニーズの変化に対応するとともに、企業の業績変動にかかわらず確実に給付を維持できるサステナブルな退職給付制度を確立できるものとしている。
具体的には、2021年3月1日以降に入社する社員から、確定給付年金を廃止する一方、在籍期間とその貢献に応じた処遇となる確定拠出年金および退職一時金を拡充する。
雇用の流動化が進む中、終身雇用に最適化された年金制度から、従業員の離職抑制効果を保ちつつ転職希望者にも在職中の貢献に応えることができる制度としたという。
ペイナウ志向の社員にも配慮し、退職給付の前払い制も導入された。既存社員については、シニア年齢での就業者の増加、健康寿命の延びなど、人生100年時代と言われる中、年金支給の開始年齢を見直す時期にきていることから、個々の人生設計に合わせた受給開始時期を選択できるよう、年金支給の繰り下げ制度を導入した。