Intelは4月6日(米国時間)、データセンター向けCPU「第3世代Xeon Scalable Processor」(開発コード名:Ice Lake-SP)を発表した。
同製品はIntelの10nmプロセスを使用し、最大40コアを搭載。28コア品で比較した場合、前世代品となる第2世代Xeon Scalable Processor(開発コード名:Cascade Lake-SP)比で、IPCが20%向上したとしており、これにより全体のパフォーマンスも前世代品比で46%向上したという。
同社は、第3世代Xeon Scalable Processorでは性能の向上に加え、3つの大きな特徴があるとしている。
1つ目は、セキュリティの機能として、メモリの重要なエリアを取り囲み「エンクレーブ」(飛び地)を作成し、外部からアクセスできないようにしてデータを保護する機能「Intel Software Guard Extensions(SGX)」を搭載している点。「Intel Total Memory Encryption(TME-MT)」や「Intel Platform Firmware Resilience(PFR)」といったセキュリティ機能と組み合わせることで、強固なデータ保護を可能にしているという。
2つ目はAI性能の強化として、「Intel DL Boost」を内蔵した点。これにより、CPU側でAIアクセラレータを機能させることができるようになり、クラウドやエッジなどさまざまな環境でAIの推論アクセラレータ機能を用いることができるようになるとしており、その結果、AI推論性能は前世代品比で1.74倍に向上したとしている。
そして3つ目は暗号化アクセラレーションの内蔵であり、これにより暗号化環境によるパフォーマンスへの影響を軽減できるとした。
なお、今回発表されたIce Lake-SPを採用した「第3世代Xeon Scalable Platform」は1ソケットならびに2ソケット向けに36製品が投入され、データセンターポートフォリオとして「Intel Optane Persistent Memory 200 series」、「Intel Optane SSD P5800X」、「Intel SSD D5-P5316 NAND SSD」、「Intel Ethernet 800 Series」、「Intel Agilex FPGA」などの周辺ソリューションと組み合わた活用を提案していくという。
同社では、第3世代Xeon Scalable Processorを活用することで、さまざまな分野で高速化や性能向上が期待できることから、すでにクラウドサービスプロバイダーやネットワークプロバイダー、HPCなどといった分野での採用が進んでおり、2021年第1四半期(1月~3月)のうちにすでに20万個以上を出荷済みだとしている。