Intelの新CEOであるPat Gelsinger氏が3月23日に行ったIDM 2.0宣言では、米国に200億ドルを投じて2つのファブを建設すること、ならびに欧米およびその他の地域での生産能力向上のための投資を年内にも行い、世界中の需要の増加に応えることが表明された。

これに呼応して、Intelの欧州半導体工場であるIntel Irelandの工場長ともいえるEamonn Sinnott氏(Intel本社製造および工場運営担当VP兼Intel Irelandゼネラルマネージャー)が、以下のような声明を発表した。

「Intelの半導体製造はグローバルな事業に基づいて構築されており、欧州でも30年以上にわたって製造を行ってきた。我々は欧州への投資を加速し、世界の最先端チップの20%を域内で製造するというEUの長期計画をサポートすることにしている。1989年以降、我々は欧州での製造能力に150億ドルを投資し、この地域で最大規模かつ先端の半導体製造事業を行ってきたが、さらに製造スペースを2倍以上にすることを目的に、2019年から2021年にかけて70億ドルを投じて継続的な拡張を行っている。この投資は、Intelの最新世代となる7nmプロセスでの製造を拡大させることを目的としているが、それにより新たに1600人のハイテク雇用が創出されるほか、5000人を超す建設雇用を創出している。Gelsinger CEOが説明したように、我々は年内に欧米およびその他の地域で新しいファウンドリビジネスをサポートするための工場拡張を発表する予定である」

アイルランド政府がIntelの投資に対する歓迎を表明

アイルランド政府産業開発庁は、Eamonn Sinnott氏の声明に呼応する形で、「欧州(Ireland)への投資を加速するというIntelの計画を歓迎する」との声明を発表した。

この計画の中においてアイルランド政府は、アイルランドにおける製造事業が拡張され、その投資が完成した際には1600人のハイテク分野での新規雇用が創出される見通しであることに謝意を示している。

また、アイルランドのミホル・マーティン首相は、このニュースに歓迎の意を示し、以下のようなコメントを発表している。

「Intelは、すでにアイルランド国内で5000人以上の雇用を創出しているが、今回の追加投資による新たな雇用創出についても歓迎する。政府の今後のミッションは、新型コロナ感染防止を目的に自宅に留まってきた国民を職場に復帰させて経済を再建しつつ、同時にアイルランドが高品質な持続可能な雇用により今後も将来の新たなグリーンエコノミーおよびデジタルエコノミーが成功できる有利な投資先であり続けることである」

また、アイルランド政府産業開発庁のマーティン・シャナハン長官は、Intelのグローバル製造ネットワークへの投資および継続的な拡張計画を「刺激的で意欲的かつ革新的」と表現、「Intelの今回の投資により、最先端となる7nmプロセス技術がアイルランドにもたらされるということは、アイルランドにとって重要であるのに加え、欧州全体としても重要であり、2030年までにデジタルトランスフォーメーションを完遂するというEUのビジョン実現に役立つだろう。同社は2022年、欧州をはじめとしたいくつかの工場におけるさらなる拡張をも計画しており、今後もパートナーシップを継続できることを喜ばしく思う」と述べている。

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    拡張工事中のIntel Ireland半導体工場 (出所:Intel Irland)