Windowsで使うならデジタルノートは「OneNote」

紙ベースの仕事から脱却したいと考えているのであれば、複数のプラットフォームから使用できるメモアプリケーションの活用は必須だ。この考え方は広く普及しているように見えないが、作業効率を高める上では欠かせないのだ。

ビジネスマンであれば、まず基本的なアプリケーションとしてMicrosoft WordとMicrosoft Excelは押さえておく必要がある。場合によってはMicrosoft PowerPointも必要だ。

ここに、もうひとつ加えたい。それがメモアプリケーションだ。WordやExcelでは整理できないデータ、WordやExcelで作業する前のもっと資料に近い状態のデータ、または調査しているデータの保存場所として、メモアプリは必要なのだ。

普段の仕事を考えてみるとわかりやすいと思う。提出する書類やテンプレート化している書類なら使い慣れたWordやExcelを使うことになるだろう。それ以外の仕事では、紙のノートやそれこそ紙のメモ帳にちょっとしたメモを書いたりはしないだろうか。しばらくしたら捨てる紙だが、これがないと実に困る。この部分をデジタル化する要となるのがメモアプリだ。

紙のメモ帳並みに手軽に扱えるとなると、複数のプラットフォームでも扱える必要がある。手書きのメモをポケットに突っ込んでおくくらいの軽い気持ちで、どこからでもメモにアクセスできるように、職場や自宅のPCからも、自分のスマートフォンからも、自宅のタブレットからもアクセスできる必要がある。そうでなければ、紙のメモ帳ほどの手軽さは実現できない。

2021年2月における日本のデスクトップシェアは、StatCounterの調査でWindowsが66.73%で最も多い。スマートフォンはiPhoneが65.05%で最も多く、タブレットデバイスではiPadが68.44%で最も多い。つまり、Windows 10、iPhone、iPadという組み合わせが、ビジネスマンの持っているデバイスとしては最大公約数的な組み合わせ、ということになる。

  • Microsoft OneNote

    Microsoft OneNote

Windows、iPhone、iPadというプラットフォームで横断的に使えるメモリアプリとなると、Microsoftが提供する「Microsoft OneNote」を最初に検討したい。Windows 10との相性のよさは当然として、iPhoneやiPad版のOneNoteアプリもよくできており、デジタル時代のメモアプリとして十分な機能を提供してくれている。

OneNoteは便利なアプリケーションなのだが、他のアプリに押されてそのポテンシャルほどは使われていない印象を受ける。OneNoteは実はとても役に立つツールなのだ。

Microsoft OneNoteはロングランのベテラン選手

Microsoft OneNoteは、WindowsのみならずmacOS、iPhone、iPad、Android、Windows Phone、Web向けにアプリを提供している。OneNote 2003が公開されたのが2003年11月だったことを考えると、すでに18年ほど使われているアプリということになる。

メモアプリの分野は競合がひしめいている。メモアプリはそれだけ仕事や生活の生産性に直結するアプリであり、こだわって開発され厳しいユーザーの要求に応え続けたツワモノばかりが残っているからだ。メモアプリにこだわっているユーザーはもう何年も同じアプリを使い続け、その使い方に精通している。知れば知るほど、活用すればするほど便利になる、それがメモリアプリだ。

そんな強者が跋扈するメモアプリのジャンルにおいてMicrosoft OneNoteの強みは、なんといってもMicrosoftが開発しているということにある。Microsoft Officeを構成するアプリであり、OneDriveを経由したデータ共有をシームレスに行うことができる。つまり、仕事でMicrosoftアカウントを持っているなら、OneNoteはとても導入しやすいメモアプリということだ。

逆に、どうしてもMicrosoftアカウントを使いたくないという理由があるなら、OneNoteを選択肢とするのは難しい。しかし、似たようなアプリはほかにもあるので、その場合はほかに気に入るものを選んでもらえればと思う。