三菱重工業は三井 E&S ホールディングスの事業会社三井 E&S 造船の艦艇・官公船事業の譲渡契約を締結したと3月29日に発表した。
三井 E&S 造船は補給艦や海洋観測船といった防衛省向けの艦艇や巡視船、漁業取締船など官公庁船の建造や修理に強みを持ち、近年では水中無人機や水上無人機などの新技術の開発に取り組んでいる。
一方、三菱重工業は陸・海・空の防衛装備品事業を運営し、艦艇の開発・設計・建造、就役後の維持整備を行い、無人化、サイバーセキュリティにも対応した護衛艦の開発を行っている。
今回の契約締結で、三井 E&S 造船が営む艦艇・官公庁船事業(水中・水上無人機含む)を三菱重工業が事業会社として譲渡を受け、三井 E&S 造船の拠点である玉野艦船工場で事業を継続するという。
三菱重工業の泉澤清次取締役社長は「三井 E&S 造船と三菱重工業は製品や保有技術で親和性・補完関係にある。事業譲渡によってシナジーを発揮し、日本の海洋安全保障へさらなる貢献をしていきたい」とした。
三井 E&S 造船は2020年6月に艦艇事業の譲渡に向けた協議を開始することに関する基本合意書を締結した事を発表していた。
両者は、公正取引委員会などの関係当局の審査を経て、2021年10月をめどに譲り受けの完了を目指すとしている。