タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は3月25日、世界大学ランキングの日本版となる 「THE世界大学ランキング日本版2021」を発表した。

今回で5回目の発表となる日本版ランキングは、世界版ランキングが「研究力」を軸に据える一方で、日本の教育事情により即した形で大学の魅力や特性が表れるように、 大学の「教育力」に注目した設計となっているという。

そのためランキング指標も「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野で構成されており、学生の学びの質や成長性に焦点を当てたものとなっている。今回の日本版大学ランキングで対象となったのは278大学であったという。

その結果、 2021年の総合ランキングでは、 東北大学が昨年に続き1位を獲得した。2位には東京工業大学(2020年版では同率3位)、3位には東京大学(2020年版は同率3位)がそれぞれ入り、以下4位に京都大学(2020年版では2位)、5位に大阪大学(2020年版では8位)がランクイン。THEによれば、東京工業大学と大阪大学は、それぞれ自己ベストを記録したという。

  • 世界大学ランキング2021

    THE世界大学ランキング日本版2021の総合順位(50位まで) (出所:THE)

また、 分野別ランキングでは、 「教育リソース」で初めて東京医科歯科大学が1位になったほか、「教育充実度」の1位に国際教養大学、「教育成果」の1位に京都大学、「国際性」の1位に国際教養大学となったという。

  • 世界大学ランキング日本版2021

    THE世界大学ランキング日本版2021の分野別順位(20位まで) (出所:THE)

THEによると、2020年版のトップ10のうち9校が2年連続でトップ10以内の座をキープしており、 日本のトップ大学の質の高さが安定していることを示しているとするほか、中央大学が10位順位を上げて50位となり、初めてトップ50入りを果たし、滋賀医科大学ならびに奈良女子大学もそれぞれ95位、 97位と初めて100位以内へのランクインを果たしたとしている。

なお、THEではコロナ禍は、世界的な留学生の動向や人材の流れなどの混乱を含め、 当面の間、 高等教育に大きな影響を与え続けることは間違いないが、日本の大学は、国内的にも世界的にも競争力を高め続けることができ得る、 有利な立場にあるとの見方を示している。