経済産業省(経産省)は3月23日、ポスト5Gに対応した情報通信システム(ポスト5G情報通信システム)で必要となる先端半導体の製造技術の開発をすることを目的とした「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の1つ、「研究開発項目 (2) 先端半導体製造技術の開発(助成)」に関する採択結果を発表した。
これは、先端半導体製造プロセスのうち、前工程に係る製造技術、いわゆるプロセスの微細化を進めることを目的とした研究開発を行うもので、具体的には2nmプロセス以降の先端半導体で求められる高性能な露光・微細加工技術、成膜技術、アニール技術、エッチング技術、洗浄技術などのうち、特に新規開発や大幅な性能向上が必要となる製造・プロセス技術などの開発とともに、パイロットラインの構築などを通じて、微細加工を施した実ウェハによる製造装置の評価・検証を実施し、国内に無い先端性を持つロジック半導体の製造技術を確立することを目的に行われるものと位置付けられている。
事業期間は原則、研究開発開始から5年間(60か月)以内とされており、パイロットラインの構築ならびに先端半導体製造技術については産業技術総合研究所が担当する(パイロットラインの設置場所はつくば市の産総研保有のスーパークリーンルーム施設などとしている)が、パイロットラインが広くオープンイノベーションに資することを目指し、海外ファウンドリとの連携を含めた「先端半導体製造技術コンソーシアム」を構築するとしている。また、製造技術ならびにプロセス技術開発企業としては、国内半導体製造装置大手の東京エレクトロン、SCREENセミコンダクターソリューションズ、キヤノンの3社が選ばれている。
なお、経産省では新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて、後工程に係る製造技術(More than Moore技術の位置づけ)の開発に向けた実装基板共通実装技術の実施事業者などの募集も進めている。