新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は3月24日、ファームシップ、豊橋技術科学大学と共同で、人工知能(AI)を活用しレタスやトマトなど5品目の市場価格を週次単位で予測する仕組みを開発したと発表した。同日より無償で市場価格の予測サービスとして提供を開始する。食品の廃棄や販売の機会損失の低減につなげる。
NEDOは、2018年度から生産・流通・販売の各段階での現場データを活用した需要予測システムおよびその予測結果を生産現場にフィードバックする成長制御システムの研究開発を行っている。2019年11月から月単位でレタスの価格予測を行う実証を開始した。
今回、NEDOはファームシップ、豊橋技術科学大学と共同でAIを活用した野菜の市場価格予測アルゴリズムの開発を進め、植物工場の野菜の需給マッチングの基礎の高度化に成功したという。さらに対象品目をレタスだけでなく、生産や流通量が多く、現時点で予測精度の高いトマトやイチゴなど計5品目に広げた。これにより、対象5品目の需要予測精度を高めることができ、廃棄や販売の機会損失低減効果が期待されるとしている。
3者は今後、同実証を進め、需要予測システムと生育予測や成長制御を統合した生産制御システムの有効性をさらに検証していく方針だ。