日立製作所は3月23日、企業の基幹システムや社会インフラシステムなどミッションクリティカルで高い安定性・信頼性が求められるエンタープライズシステムへのAI(人工知能)の普及を加速するため新たにAI専用のフレームワークを開発し、「Justware AIアプリケーションフレームワーク」として4月1日に販売開始すると発表した。価格は個別見積、提供開始は6月1日。
新フレームワークは、同社がこれまで幅広い業種で手がけてきたというAI導入案件におけるノウハウや技術を標準化し、汎用テンプレートやAIの精度劣化を防ぎ維持する機能、エンタープライズ向けの共通部品群などを揃えた。AIを実装するアプリケーション(AIシステム)の高効率な開発・運用を実現するものという。Pythonに対応するAIエンジンであれば、ユーザー任意のエンジンを利用可能だ。
具体的には、AIのユースケースとしてニーズが高い汎用テンプレートを取り揃えた他、稼働後におけるAIの学習・分析精度のメンテナンスを自動化する機能などを実装している。 なお、同フレームワークの開発方法論や品質保証は、社会イノベーション事業で培ったノウハウを基に策定した同社の「AI倫理原則」に基づいているという。同社は、同フレームワークを研究開発や顧客協創のフェーズから利用することで、AIに関する最新の研究成果の社会実装の迅速化を目指す。
今後、AIシステム開発のさらなる効率化に向けて、同フレームワークを「Lumada Solution Hub」に登録し、テンプレートの拡充や、より高精度な同社独自の学習エンジンを追加するなど、AIによる社会やビジネスの変革に貢献していくとしている。