TrendForceによると、2020年末の段階でx86アーキテクチャは、サーバCPUアーキテクチャとしていまだに主流であり、そのうちIntelが92%のシェアを有するという。一方、x86アーキテクチャの競合であるAMDのサーバ市場シェアは2019年第4四半期では3%程度であったものが、2020年第4四半期には8%程度へと上昇し、存在感を示しつつあるという。
TrendForceでは、IntelがIce Lake(開発コード名)ベースのサーバプラットフォームが2021年に登場することを踏まえ、サーバの出荷量が2021年第2四半期、前四半期比21%増と大きく伸びることを予想している。
また、AIおよび5Gネットワークの活用が進むにつれ、低遅延のデータ処理を伴うエッジコンピューティングに対するニーズも増加しており、Armv8アーキテクチャベースのサーバに注目が集まりつつあるとのことで、すでに自動運転、IIoT、およびその他の独自の商用アプリケーションなどでの活用に向け、関連ベンダ各社が積極的にそれらの開発を進める段階に入っているとするほか、北米のデータセンターでは、搭載サーバの積極的な採用を図っているという。
Ice Lakeは2021年第4四半期にIntelのCPU出荷数の40%を占める可能性
サーバ向けIce Lake-SPを採用したプラットフォームは「Whitley」と呼ばれ、すでに顧客に向けた出荷が進められており、2021年を通して出荷数を伸ばすと見られ、TrendForceでは、2021年第4四半期には同プラットフォームが、IntelのCPU出荷数の約40%を占めるまでに拡大されると予想している。
また、Whitleyプラットフォームは、データ転送速度(MT/s)とCPUごとのDRAM容量の増加が図られるため、DRAM消費量の増加が、AMDの第2世代EPYC「Rome」、同第3世代EPYC「Milan」と比べて期待されるとTrendForceでは見ているほか、Intelが推進するOptane SSDとの連携により、AI分野などにおけるサーバパフォーマンスの向上も期待できるようになるともしている。
なお、DDR5およびPCIe Gen5のサポートに関しては、IntelとAMDともに、次世代プラットフォーム(IntelはEagle Stream、AMDはGenoa)から対応する見通しである。Eagle Streamは2022年初頭より、Genoaは2022年第2四半期よりそれぞれ量産が開始される予定だという。