兵庫県神戸市と日立ソリューションズは3月16日、オープンデータの推進に向け、個人を特定できないような匿名化したデータを作成する実証実験を行い、分析への使用の有用性を確認したと発表した。同実証実験は、2020年7月31日~2020年10月15日の期間実施され、150万件の統計情報から作成したサンプルデータを活用した。匿名化対象となった項目は、年齢、性別、国籍、住所などの10項目。

  • オープンデータ化による市民サービスの向上のイメージ

同実証実験では日立ソリューションズの「プライバシー情報匿名化ソリューション」を活用した。同ソリューションは、データの利用価値を保持したまま匿名性を実現するという「k-匿名化」を行い、パーソナルデータを個人情報保護法に則って安全に利活用できるよう支援するソリューション。

神戸市は、統計情報から作成した個票形式のサンプルデータに、同じ属性を持つデータが複数件存在するようにk-匿名化を施し、k-匿名化後のデータを利用して基本的な人口や人口動態を分析し、有用な結果が出ることを確認している。また、同実証実験でk-匿名化を行ったデータの1つを活用しやすい統計情報に集計し、オープンデータとして公開した。

日立ソリューションズは、クラウド上でのデータ利活用やオープンデータ化が今後も進んでいくことを見据えて、プライバシー情報匿名化ソリューションのさらなるサービスの拡充を進める方針だ。